アイスクリーム事業
主要大手メーカー各社の協力工場として、アイスクリームの委託生産を引き受けています。その品質管理には万全を期して、寄せられた信頼にお応えし、衛生、安全、品質と徹底した管理のもと日産100万個のライン設備を稼働させています。また、商品開発にも積極的に取り組み、これまで当社が開発した多くのアイスクリームが商品化されています。

アイスクリームができるまで
製造工程
原料の配合
牛乳、クリーム・バター・練乳・粉乳などの乳製品、砂糖・水あめなどの糖類、安定剤、乳化剤、香料、着色料など原料の配合バランスを決めます。
原料の混合・溶解(30~70度)
各種の原料を加温できるタンクで十分に混ぜ合わせ、溶かします。 これをアイスクリームミックスとよびます。
ミックスのろ過
原料に不純物が混ざっているといけないので、ろ過します。
ミックスの均質化(50~70度)
ホモゲナイザーと呼ばれる機械でミックスを通常100~150kg/cm2の圧力で均質化し、脂肪球を2ミクロン以下に粉砕します。 これにより下記の効果があります。
- 各種の成分を完全に混和する。
- フリージング中の脂肪のチャージングを促進。
- 気泡性をよくして、オーバーランを促進する。
- なめらかな組織をつくる。
- 消化吸収をよくする、という効果があります。
ミックスの殺菌(68度以上)
法令で、68度30分間の殺菌、またはこれと同等以上の殺菌効果のある方法で行うことが定められています。 この工法は、下記を目的として行われます。
- 病原菌などの有害な微生物を死滅させる。
- 変質することのないように、微生物をできるだけ少なくする。
- ミックス中のリパーゼなどの酵素を失活させる。
- ミックス中の成分を充分に溶解、混和させる。
ミックスの冷却(0~5度)
ミックスの温度を0~5度に下げ、冷やします。
ミックスのエージング + フレーバー添加
(0~5度)
エージングとは、一定時間タンクに貯蔵すること。ミックス中の脂肪を結晶化し、粘度を上げて組織のなめらかさ・保形性を向上させます。
フリージング(-2 ~ -8度)
フリージングは、アイスクリームの製造工程の中でもっとも重要なもので、空気を巻き込みながらアイスクリームを半凍結状態にする工程です。 そしてフリージングには、下記のような働きがあります。
- ミックス中の水分の一部を凍結する。
- 空気を混入してオーバーランを出す。
- 固体・気体・液体の各層が微細で均一な粒子を形成させる。
充填・包装(-2 ~ -8度)
フリーザーから出てきたアイスクリームは容器に詰められて固化されます。カップの場合は、フリーザーから出てきてすぐに充填・硬化されますが、スティックアイスではモールド(型詰器)に充填して、硬化、形成し、その後モールドから取り出してから包装され、貯蔵されます。 充填後すみやかに硬化工程に移すことがアイスクリーム組織を劣化させないポイントです。
硬化(-18度以下)
アイスクリームの組織や形を良好な状態に安定させるため、連続的に凍結させ、製品をできるだけ早く-18度以下にします。硬化にかかる時間は、アイスクリームの温度、容器の大きさと形、包装材質、冷却する空気の循環と温度により異なりますが、硬化質の温度は一般的には-30度以下にします。
検査
夫々の工程で成分、有害物、微生物等の検査を行ないますが、最終製品でも微生物やその他の検査を行ないます。これは、法令でアイスクリーム類に厳しい品質規格を定めているからです。 その一つに「大腸菌群 陰性」という項目があり、メーカーは必ず陰性であることを確認してから市場に出荷しますので、アイスクリーム類に病原性大腸菌O-157が入ってくることはありません。
保管(-25度以下)
製品になったアイスクリーム類は、段ボールなどで包装され、十分な広さの冷凍貯蔵庫に、通常-25度以下で保管されます。貯蔵保管にあたっては、製品の品質劣化を最低限に抑えるため、下記が重要です。
- 一時的な温度上昇を防ぎ、温度変化がないようにする。
- 臭いのある、アイスクリーム以外のものと混ぜて貯蔵することは避ける。
- 入出庫、積み降ろしの時などの温度変化を最小限にする。
出荷(-18度以下)
冷凍車で配送する場合にも、庫内は-18度C以下に保たれ、お店に届けられます。
原料の秘密
牛乳と乳製品
アイスクリームの主な原料は、牛乳と乳製品です。
クリーム・バターなどの乳製品は乳脂肪分の、脱脂粉乳・脱脂練乳などは無脂乳固形分の供給源になります。両成分に共通するものには、牛乳・加糖練乳・全粉乳などがあります。
新鮮な牛乳と乳製品がアイスクリーム独特のおいしさの源となるのです。
乳脂肪分
アイスクリームの風味や組織に大きな影響を与えます。この乳脂肪は、アイスクリームにしっかりしたボディ、なめらかな組織、および、良好な保形性、そして豊かなクリームの風味を与えるもっとも重要な成分です。アイスクリーム特有の口あたりの良さとなめらかな組織にするためには、脂肪球は均一で、大きさは2ミクロン以下の小さなものが良いと言われています。
無脂乳固形分
牛乳の成分の中から脂肪および水を除いた成分の総称で、たん白質・乳糖・ミネラル・ビタミンなどを含んでいます。アイスクリームにコク味を与え、組織をなめらかにして、ボディをつくり上げる働きをします。
| たん白質 |
たん白質は、アイスクリームミックス中の水分と結び付いて氷の結晶が大きくなるのを防ぎ組織をなめらかにします。 |
|---|---|
| 乳糖 |
乳糖はアイスクリームミックスの凍結温度を下げるので、氷の結晶が小さくなりやすく、組織がなめらかになります。 |
| 無機質 |
カルシウム・リン・マグネシウムなどの無機質は、たん白質と結合して、間接的にアイスクリームの組織をなめらかにします。 |
甘味料
甘味料には砂糖・ブドウ糖・果糖・水あめなどがあり、アイスクリームに好ましい甘さを与え、クリームの香りや風味を強める作用があります。さらに、甘味料は、固形分供給源としてアイスクリームの組織をつくるほか、ミックスの凍結温度に影響をおよぼし、組織をなめらかにします。
その他の原料と添加物
ココアおよびチョコレート
ココアは、カカオ豆の質と処理の方法がアイスクリームの風味や品質に影響します。
また、チョコレートは、コーティング用・マーブル用・トッピング用など、使用目的で成分が異なります。
果汁・果肉
製品の多様化、機械装置の発達により、種々の果汁・果肉が使用できるようになりました。
果肉を加える場合は、フルーツフィダーという特殊な機械でアイスクリームに均等に混ぜられます。
鶏卵
鶏卵をつかったのは、カスタード(またはフレンチ)アイスクリームと呼ばれます。
風味はまろやかで上品。全卵粉末や濃縮卵黄などの鶏卵加工品も利用されています。
食用油脂
主に用いられるのは、植物性のヤシ油系のものです。
なお、アイスクリーム類および氷菓の表示に関する公正競争規約では、アイスクリーム類のうちアイスクリームには、乳脂肪以外の脂肪を禁止しています。
安定剤
一般に安定剤と呼ばれているものは、高分子化合物で、組織を滑らかにし、保形性をよくし、空気の混入(オーバラン)をコントロールします。
これらすべてを上手にコントロールするため、ゼラチン・寒天・ペクチンなどを組み合わせて使われます。
乳化剤
牛乳中の脂肪は液体ではなく、細かい粒子の固体が液体の中に浮かんでいる状態です。
これが激しい攪拌で壊されたまま凍結すると、脂肪粒子と氷の結晶と細かい空気の泡とからなるアイスクリームの組織が不均一になってしまいます。
乳化剤は、このような状態を防ぎます。乳化剤には、卵黄や大豆の中にあるレシチンや、食用油脂が原料のグリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどが使用されます。
これらは食品衛生法により、規格が定められています。
香料
アイスクリームにはそれぞれ特有の風味があります。
その香りを強めたり改良するために調合香料が使われます。
これには水溶性香料がもっとも多く利用されています。
着色料
アイスクリームの自然の色を補ったり、改良するために着色料を使用する場合があります。
おいしさの秘密
空気の量が味わいを変える

アイスクリームは、フローズンデザートの代表的なもので、その特徴は冷たさとおいしさを楽しむ食品であり、凍っていながらなめらかな組織を持っていることです。
その秘密は空気。
攪拌しながら凍らせることで空気が取り込まれ、なめらかな口あたりになるのです。
この空気の混入量をオーバーランと言います。
1リットルのアイスクリームミックスに、1リットルの空気を混ぜると2リットルのアイスクリームができ、オーバーランは100%です。
普通のハードアイスクリームでオーバーラン60%~100%、ソフトクリームでは30~80%くらい、シャーベット系では20~60%と低くなります。
つまり、オーバーランが低いとねっとりした重みのある味となり、高いとフワッと軽い味になります。
ミックスの配合によって、適当なオーバーランを選ぶのも、おいしいアイスクリームを作るコツです。
アイスクリームの口あたりを左右するのは組織
アイスクリームミックスをフリーザー(凍結攪拌機)にかけると、氷結部の氷の結晶は細かく砕かれます。
一方で、未氷結部は凍結温度が低下し、脂肪・たん白質・糖質・ミネラル・安定剤・乳化剤などの相乗作用で粘度が高まり、攪拌によって各層の間に空気が送り込まれます。
その結果、氷や脂肪球、気泡などが細かく均一に分散した柔らかな氷=アイスクリームができるのです。
口に入れるとサッと溶けるアイスクリーム特有の口あたりはこの組織から生まれます。
また、アイスクリームは氷に比べて氷結部分が少ないうえに、脂肪の粒子や空気の泡が熱を伝えにくくし、熱の吸収を妨げるため、同じ温度でも氷よりアイスクリームのほうが、冷たさを感じずソフトでまろやかな口あたりになるのです。
アイスクリームの組織を拡大してみると
- 氷結晶
- 20~70ミクロン
● 未凍結部
- 気泡
- 30~150ミクロン
- たん白質
- 0.01~0.1ミクロン
- 脂肪球
- 0.04~3.0ミクロン

風味の決め手は乳脂肪

アイスクリームのおいしさは、サッと溶ける口溶けの良さとなめらかさ、そしてコクのある風味です。
この独特のうま味は、良い組織とボディによって生まれます。
ボディはほどよく配合され、適度な粘性を持ったアイスクリームミックスによって作られます。
アイスクリームの原料のうち、製品の風味にいちばん影響を与えるのが牛乳、乳製品です。
中でも良い組織とボディのポイントになるのが乳脂肪で、アイスクリームにクリームフレーバーと豊かな風味を与え、同時になめらかな組織と粘りと硬さを持った、しっかりとしたボディ、そして、良好な保形性を与えます。
乳脂肪の含有量が適度に高いほど、コクのあるまろやかな風味ときめ細かな組織になります。
コクのあるアイスクリームを購入する際には、乳脂肪の含有量を目安に選んでください。
アイスクリームを家庭で保存する
ポイント
家庭用の冷凍庫は-18℃以下に冷却できるようになっていますが、次のことに注意して保管してください。
- 冷却効果を高めるため、空気の循環を妨げない程度に品物を入れ、庫内の温度を-18℃以下に保つこと。
- 家庭用の冷蔵庫は解放部分が大きいので、冷気が逃げ出しやすく、外気が侵入しやすいので、扉の開閉を素早く、開閉回数を少なくすること。
- 一度溶けたアイスクリームが再度凍結すると針状結晶を生じ、組織が粗くザクザクしたものになるので、残ったものは溶けないうちに素早く庫内に入れること。一度溶けたものを再凍結させると、風味が落ちます。
- 庫内の温度が低いため製品の表面が乾燥しやすいので、アイスクリームが残ったら表面を平らにして入れること。デコボコがあると乾燥する面積が広くなり、製品の劣化を早めます。
- 開封後はなるべく早く食べきること。フタと中身の間に空間ができると、その部分が、乾燥して表面が劣化します。
- 乾燥防止のために、ラップやポリ袋に包んで貯蔵すること。
- アイスクリームは匂いがつきやすいので、匂いの強いものと一緒にしないこと。ラップなどで包むのも良い方法です。
